KVS
中空構造のシャフトに特別な超極細不織布素材を圧着して製造されたこのロールは、KVS真空システムに接続され、板素材の表面に残留する微細な液体を効果的に除去することを目的とした特別設計のロールです。
製品の原理
従来の不織布ロールは、表面に加えた圧力によって吸引および排出を通じて絞り作用を行っていました。一方、真空吸引ロールは中空構造のロールシャフトを利用し、シャフト内の負圧を表面全体に均等に分散させることで、溶液を吸収する構造です。この構造により、従来の不織布ロールと比較して、優れた絞り性能を発揮します。
※ 適用可能なロール: 絞りロール、圧縮ロール、ワイパーロール
- ロールが圧縮されることで、ロール内に含まれた溶液が排出されます。
- ロールが復元されると、ストリップ上の残留溶液を吸収します。
- 吸収された溶液は、シャフト側面の配管を通じて排出されます。
主な特長
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クリーンサーフェス
- 従来のゴムロールや不織布ロールでは制限されていたエッジ部位の溶液の完全な吸収が可能となりました。
- ストリップ表面の溶液残留量が顕著に減少(1g/m²以下)。
- 洗浄油については、従来のストリップ表面に残留していた洗浄油の影響により制限的に使用されていた噴霧量を最大限使用でき、ストリップ表面の品質向上が図られます。
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効率
- ストリップ表面からの液体を完全に除去し、ロール交換サイクルの延長により生産効率を最大化(ラインスピードの向上)。
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節約
- 真空ロールに吸引された洗浄油および溶剤の再利用が可能で、溶剤の補充および交換コストを削減。
- 真空ロール後部におけるエアブロワーおよびドライヤーの非使用により、電力および蒸気の消費を削減。
- 前段で使用されているリングロールの寿命延長により、メンテナンスコストを削減。
- ロール交換サイクルの延長に伴い、ライン停止による機会コストを削減。-
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安全・清潔
- 溶剤の残留や飛散がなく、作業環境の改善と安全事故の予防が実現。
- ストリップエッジ部のエアナイフ使用を中止することにより、工場内の作業環境が改善され、洗浄液の飛散や騒音が減少。